今日はちょっと気分転換?に妊婦さんの喘息について書こうと思います。
妊娠希望の女性や妊娠中の女性は薬を少しでも飲みたくない・・・というのはみなさんそうだと思います。
病院で外来をしているときには産科から「妊娠○週の方です。喘息コントロールお願いします。」のお手紙つきで、喘息をいわれた、あるいは症状がある患者さんの診察依頼が女医だからでしょうか、よくありました。
「お薬・・・使わなきゃだめですか?」
この言葉はほぼ必ずその患者さんたちから聞かれた言葉です。
「おなかの赤ちゃんはお母さんから酸素をもらって生きています。お母さんが喘息発作が出て、息苦しくなり、取り込む酸素が少なくなると、赤ちゃんに届ける酸素も減ってしまいます。それは、赤ちゃんにとって苦しいことになります。喘息は妊娠することで、意外にも症状がよくなる人もいますが、悪くなる方もいます。出産直前に大きな発作をおこすと、本当に大変です。お母さんも赤ちゃんも厳しい状態になります。喘息治療は世界的にも安全であるとされている治療薬を使いコントロールすることができますから、赤ちゃんを安全に元気に産むためにもコントロールをしましょう。」
何度となく、この言葉を話してきました。ありがたいことに、その患者さんたちは皆さん、元気に出産をされていました。
お薬で赤ちゃんに何か影響があるのではないか・・・ということも、大切なことですが、治療しないとどうなるか・・・も大切なことです。
もちろん、喘息治療に使われるお薬の中には心配なものもないとはいいません。
主治医とよく相談して治療を受け、元気な赤ちゃんを産んでいただきたいものです。
台風すごかったです。
まだ、今週もう一つ来るのですね。雨風が心配です。
さて、今日はぜんそくの治療のお話です。
ここ数年といいますか、私が医師になったころにはぜんそくで入院する患者さんはまだまだ、いらっしゃいました。
妊婦さんでもうすぐ臨月という方が喘息発作で運ばれてきて、苦しい中数日入院されていたときのことを良く覚えています。
ですが、徐々に減ってきて、ぜんそくでの入院は本当に減りました。
それはやはり、吸入ステロイドの普及が大きいと思います。
有名なスケート選手や野球選手を広告にしているポスターを見かけられた方もいらっしゃると思います。
ステロイド?と思われてしまいますが、ステロイドは過去にマスコミでのバッシングで良いイメージが世間ではないお薬ですが、必要な疾患には欠かせない大切なお薬です。
特に呼吸器領域ではぜんそくをはじめ、たくさんの疾患で使用します。
吸入ステロイドは全身投与(内服や点滴)するのではなく、気道のみに薬剤を投与することで、全身的なステロイドの副作用を避けるというお薬です。
全身的な副作用(胃潰瘍、骨粗しょう症、易感染など)はありませんが、吸入ですので、のどの違和感や声がれ、うがいを怠るとカビの感染などはあります。ですが、全身的なものと比較すると比較的許容できるものだと思います。
吸入薬は1日1回のものと2回のものがあります。2回のもののほうが商品としては数あります。
症状にあわせて1回1~4吸入で行い、吸入後うがいを必ずします。このうがいが大切です。
口の中に残る薬を洗い流し、カビが感染することを予防します。
吸入回数は症状にあわせ医師が調節します。
なぜステロイドなのか・・・いろいろ難しいことがありますが、簡単に一言で言ってしまうならば「ステロイドの抗炎症効果により慢性的な気道の炎症をおさえる」ということです。
長くなってしまいましたが、ぜんそくコントロールの基本は今は吸入ステロイドです。全身投与は発作時やどうしてもコントロールがつかない場合のみに使用するというところです。
次回気管支拡張薬のおはなしを。
今日はぜんそくの治療についてかきましょう。
ぜんそく治療については『喘息予防・管理ガイドライン』というものがあります。
基本的にそれにそうかたちでの治療を行います。
これは重症度を症状で評価しステップ1~4にわけ、それに応じて薬剤投与の目安が示されています。
一番軽いステップ1ならば症状が多いときに吸入薬や内服薬を選んで使用する、ステップ4ならば吸入薬に加えて内服薬も継続し、さらに内服のステロイドを使用するなど・・・
インターネットでも検索すればステップについても出てくると思いますが、かかりつけ医にお尋ねいただければステップを教えてくれると思います。
さて、ここ数年吸入ステロイドが世界的にもぜんそく治療の標準であり、重要な薬剤とされています。
このステップでの治療でも基本は吸入ステロイドとなっています。
ステロイドというとイメージが良くないという方が多いかもしれませんが、ぜんそく治療には欠かせません。
次回は吸入ステロイドについて書かせていただきます。
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