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2012.07.18

ぜんそくのお話6~COPDとぜんそく~

梅雨明けしましたね。

とても暑いので、毎年のごとく我が家の息子たちはランニング兄弟になっております。

ぜんそくの方たちも少し、ぐずぐずした体調がお天気とともに楽にはれてくるのではないかと思います。

今日はぜんそくとCOPDについて書きましょう。

高齢者ぜんそくにおいて鑑別が難しいものにCOPDがあります。

『COPDはタバコ病じゃないか?』

そうです。高齢者ぜんそくにおいて喫煙歴のある場合(すでに禁煙されていても)はCOPDの合併を念頭におかねばなりません。

昔、「ぜんそくだね~」と高齢になってから診断されたという方は実はCOPDだった・・・ということもあります。

では、この二つの疾患はどこが似て、どこが違うのでしょうか?

病態は『気道の慢性炎症』は同じですが、関与する細胞が違います。

ぜんそくは好酸球、COPDは好中球という同じ白血球でも種類が異なります。

また、気流閉塞は、ぜんそくは中枢から末梢の気道の変化で可逆性がありますがCOPDは末梢気道と肺胞・血管の構造の変化によるもので、可逆性はありません。

ちょっと難しい話になってしまいました。

では、わかりやすいところで、症状は・・・似ているようで違いがあります。

患者さん「ぜーぜー息が苦しいのです・・・」

医師「ぜんそくかな?」

この会話がよくあるようです。でももう少し深く・・・

医師「どんなときに苦しいですか?」

患者さん「朝と夜がくるしくて・・・ぜーぜーなります。」⇒ぜんそく疑い

患者さん「歩くとくるしくて・・・」⇒COPD疑い

このように息苦しくなる時間帯や労作との関係で鑑別します。

ですが、高齢者ぜんそくとCOPDの合併率は3割とも報告されており、線で引いて分けることはなかなか難しいところです。

検査としては呼吸機能検査を行う時に気管支拡張剤の吸入前後で2回行い、可逆性があるかどうかを見た際に可逆性があり、正常化すればぜんそく、可逆性はあっても正常化しなければCOPD合併を疑うというところでしょうか。

2012.07.12

睡眠時無呼吸症候群

今週はしばらく雨でしょうか・・・

梅雨は明けてほしいものの、夏がくると、暑いし・・・と悩ましいです。

先日、睡眠時無呼吸症候群について、お問い合わせをいただきました。

当院でも睡眠時無呼吸症候群の、検査・診断・治療は可能です。検査はご自宅でしていただく簡易検査です。機器をつけて寝ていただくだけです。精密な検査をご希望の場合は1泊で検査してくれる施設へご紹介させていただきます。

治療法には特殊な機械を装着し寝ていただく方法と、装具を使用する方法があります。装具については耳鼻咽喉科にご相談いただくのですが、睡眠時に使用する特殊な機械の管理、処方は当院で行うことができます。要件を満たせば、保険診療が可能です。

お気軽にご相談ください。

2012.07.09

ぜんそくのお話5

いいお天気ですね。

晴れると気分もいいですね。

久しぶりにぜんそくのお話を。

今日は吸入ステロイド、気管支拡張剤以外のお薬について書きましょう。

といってもあとは内服薬がほとんどです。気管支拡張剤の内服薬にはテオドール、ユニフィルといったキサンチン誘導体といわれるものと、吸入剤や貼り薬にもなっている交感神経刺激のものとがあります。

キサンチン誘導体は、ほかの薬剤との飲みあわせや血中濃度によっては中毒症状がでることもあり、注意が必要です。ただ、飲み薬で比較的処方しやすいお薬ではあります。吸入は苦手で・・・ということで、飲んでおられる方が多い薬でもあります。

交感神経刺激のお薬は吸入が最近ではほとんどですが、飲み薬もあります。ただ、副作用の問題等からも最近では処方は減ってきていると思います。よほど大きな発作を繰り返す方のなかには使用されている方もおられます。

副交感神経遮断薬も吸入薬ですが使用されることはありますが、処方j頻度はずいぶん減っています。

ほかは・・・忘れてはならないのがアレルギーのお薬です。症状に応じて各種アレルギー薬を処方します。

たくさん薬剤はありますが、やはり、そこは『医師のさじ加減』です。ぜんそく治療は明確なガイドラインがでていますし、基本はそれにのっとった治療ですが、『さじ加減』が大切な要素である疾患です。

2012.07.06

尿失禁の診断1

お天気がすっきりしませんね。

システムの問題か、ブログ入力がしばらくできず、久しぶりのブログです。

以前お話しました女性の尿失禁の診断方法です。本日は診断その1、です。
 
尿の検査はまず尿の性状を見ることから始まります。糖、蛋白は出ていないか、出血はしていないか、炎症は起こしていないか…..。膀胱炎でも失禁は起こることがありますし、尿検査をすることで慢性腎不全や尿路の悪性疾患が見つかることもあります。
 
次に排尿の状態を把握しなければなりません。いったいどれくらいの量がどれくらいの勢いで出て、残尿はどれくらいなのか。またそれは正常なのか?そこで行われるのが尿流量測定と残尿測定です。検査専用のトイレに排尿することで、機械がその流れを計測します。以前はこれがトイレ???としか言いようのない検査機械の上にまたがって排尿しなくてはならず、緊張と違和感のあまり、普段とは異なる排尿状態となり、正しい診断を下せないということがありました。
(初めて見たとき、私はイヤでした・・・・)
当院ではそのようなことを避けるため、TOTO製のトイレを導入しました。さすがトイレを長年製造してきたメーカーです。全く普通の洋式トイレです。が、そこで排尿するとみごとに排尿量、尿の勢いがグラフになって表示されます。完全な洋式トイレですので、普段の状態と同じように排尿でき、正しい診断をするにも非常に有効です。
 
尿流量測定が終われば、その後残尿測定です。残尿は当院ではエコーで行っています。この検査で残尿が多いと診断され、かつ尿失禁があるようなら溢流性(いつりゅうせい)尿失禁の可能性が高く、まず残尿を減らすように投薬が始まります。残尿感というのはあくまで「感覚」であり、本当に残っているかどうかは検査しないとわかりません。
 
なお前述の尿流量測定は男性の前立腺肥大症の診断でもよく使用されます。ちょっと尿が出にくいかな?、という方がいらっしゃれば、一度是非検査を受けてみてください。
 
次回は診断その2、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の診断についてお話いたします。

2012.06.29

自転車往診

今日は非常にいいお天気です。

今日から往診(専門的には訪問診療)が始まります。

街中なので自転車での往診です。

白衣で自転車に乗り、芦屋の街を走るのは、ちょっぴり恥ずかしいですが・・・

日焼け止めを塗ってがんばります。

ちなみに自宅に医師が診療に伺うことを『往診』というイメージがありますが、専門的には、

診療所に来ることができない方に臨時で伺うのが『往診』、定期的に伺うのが『訪問診療』といいます。

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