2012.06.26
先日、骨盤底筋体操についてお問い合わせをいただきましたので、今日は女性の尿失禁についてのお話です。
女性の多くは大なり小なり尿失禁の悩みを抱えているといわれています。出産を経験され
た30歳代女性の約半数、出産を経験しなくても40歳代になれば半数以上の女性に失禁を認
めるようです。でも実際に病院を受診される方はほんの数パーセントです。
失禁には主に大きく分けて腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流(いつりゅう)性尿失禁の3種
類があります。もちろん多少これ以外のものもありますし、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁
が重なった混合性尿失禁というものもあります。
女性で最も多くを占めるのが腹圧性尿失禁で、咳をしたり立ち上がったりすることで起こ
る失禁です。これは尿道や膀胱を支える骨盤底筋群が出産や閉経により弱くなることで起
こります。したがって腹圧性尿失禁を自分で改善しようと思えば、骨盤底筋を鍛える「骨
盤底筋体操」という方法があります。ただ正しく施行しないと全く効果がありません。
当院では医師、看護師で正しい骨盤底筋体操を指導していきます。土曜日に泌尿器科専門医が
来院しておりますが、男性ですので、女性に相談する方がいい、という患者様は何曜日でも結構ですので
私にご相談ください。指導する看護師も女性ですし、月~金は女性スタッフのみでの運営です。
尿失禁はどのタイプのものなのかしっかり診断することが治療上大事です。
後日、診断の方法についてお話していきます。また腹圧性尿失禁が骨盤底筋体操で良くならない場合どうするか、これに関しても説明していきます。
2012.06.25
今日は朝、にわか雨がありましたが、なんとかお天気はたえている感じですね。
昨日はお天気だったので王子動物園へ行きました。
おなかに子どもが入っているカンガルーの実物を見ることもでき、大人も楽しめました。
さて、今日は気管支拡張剤についてお話しましょう。
ドラマなどでぜんそく発作のときに小さなプラスチックの吸入器から『シュッ』と吸い込むシーンが時々あります。
発作のときに使う吸入、まさに、昔からある短時間型の気管支拡張剤です。
根本的な治療ではなく、対症治療のお薬です。吸入することで気管支をぱっと広げて呼吸を楽にするのです。
ただ、この吸入器に頼りがちになると・・・危険です。
基本的には1日に最高4回程度までと決められていますが、繰り返し、時間も空けずに使用することでぜんそく発作が止まりにくくなってしまうこともあります。こうなると、なかなか止まらず、入院になるほどの呼吸困難になることもあります。
また、お薬の作用点が心臓にもあるためにどきどきしたり、人によっては不整脈が出てしまうこともありますので、注意は必要です。
近年、この気管支拡張剤に長時間型が発売されました。
これは貼り薬と吸入器があります。貼り薬は赤ちゃんから使え、ぜんそくだけでなく気管支炎のときにも使用しますので、ご存知の方も多いのではないかと思います。
貼り薬は1日1枚、吸入は現在発売されているものは1日2回吸入することで呼吸を楽にしてくれる優れものです。
この長時間型を使用することで短時間型の使用回数は減った、もしくは要らなくなった方もたくさんいらっしゃいます。
数年前まではステロイドの吸入器と長時間型気管支拡張剤の吸入器と発作用時の短時間型気管支拡張剤の吸入器と吸入器をいくつももっておられる方がいらっしゃいました。
数年前にステロイドと長時間型気管支拡張剤の合剤の吸入器が出てからは1つ吸入器を減らすことができた方も多いと思います。
数年先にはこの合剤を短時間型同様に使うようにもできるお薬がでるという話もあり、そうすれば吸入器の手持ちをひとつ減らせるかもしれませんね。既存の薬でもその使い方がOKになればそういう日も近いかもしれません。
2012.06.22
クリニックの中のことも少し書こうかと思います。(病気の話ばかりだと堅くて・・・)
キッズスペースにどんな絵本をおこうか、何をおこうか・・・と開院前考えました。
絵本は、息子たちが大好きなものならば、ほかのお子さんにも気に入ってもらえるかと思い、家にあるものと同じものを何冊か用意しました。『だるまさんが』『しろくまちゃんのほっとけーき』『ぐりとぐら』など・・・
おもちゃは、やっぱり小さい子のてっぱんはアンパンマンかな?と思い、アンパンマンの絵本とおもちゃを少し用意しました。
クリニックにお母さんと来てくれるお子さんが、キッズスペースから診察室に持ってきて、お母さんの診察を待っている間遊んでいるのは、やはりアンパンマン!
何がそこまで子どもたちをひきつけるのかはわかりませんが、アンパンマンはやはり子どもに大人気なんですね。
息子は先日の台風にア~ンパ~ンチ!!していましたが・・・
病気にもア~ンパ~ンチ!!したいものです。
2012.06.22
今日はちょっと気分転換?に妊婦さんの喘息について書こうと思います。
妊娠希望の女性や妊娠中の女性は薬を少しでも飲みたくない・・・というのはみなさんそうだと思います。
病院で外来をしているときには産科から「妊娠○週の方です。喘息コントロールお願いします。」のお手紙つきで、喘息をいわれた、あるいは症状がある患者さんの診察依頼が女医だからでしょうか、よくありました。
「お薬・・・使わなきゃだめですか?」
この言葉はほぼ必ずその患者さんたちから聞かれた言葉です。
「おなかの赤ちゃんはお母さんから酸素をもらって生きています。お母さんが喘息発作が出て、息苦しくなり、取り込む酸素が少なくなると、赤ちゃんに届ける酸素も減ってしまいます。それは、赤ちゃんにとって苦しいことになります。喘息は妊娠することで、意外にも症状がよくなる人もいますが、悪くなる方もいます。出産直前に大きな発作をおこすと、本当に大変です。お母さんも赤ちゃんも厳しい状態になります。喘息治療は世界的にも安全であるとされている治療薬を使いコントロールすることができますから、赤ちゃんを安全に元気に産むためにもコントロールをしましょう。」
何度となく、この言葉を話してきました。ありがたいことに、その患者さんたちは皆さん、元気に出産をされていました。
お薬で赤ちゃんに何か影響があるのではないか・・・ということも、大切なことですが、治療しないとどうなるか・・・も大切なことです。
もちろん、喘息治療に使われるお薬の中には心配なものもないとはいいません。
主治医とよく相談して治療を受け、元気な赤ちゃんを産んでいただきたいものです。
2012.06.20
台風すごかったです。
まだ、今週もう一つ来るのですね。雨風が心配です。
さて、今日はぜんそくの治療のお話です。
ここ数年といいますか、私が医師になったころにはぜんそくで入院する患者さんはまだまだ、いらっしゃいました。
妊婦さんでもうすぐ臨月という方が喘息発作で運ばれてきて、苦しい中数日入院されていたときのことを良く覚えています。
ですが、徐々に減ってきて、ぜんそくでの入院は本当に減りました。
それはやはり、吸入ステロイドの普及が大きいと思います。
有名なスケート選手や野球選手を広告にしているポスターを見かけられた方もいらっしゃると思います。
ステロイド?と思われてしまいますが、ステロイドは過去にマスコミでのバッシングで良いイメージが世間ではないお薬ですが、必要な疾患には欠かせない大切なお薬です。
特に呼吸器領域ではぜんそくをはじめ、たくさんの疾患で使用します。
吸入ステロイドは全身投与(内服や点滴)するのではなく、気道のみに薬剤を投与することで、全身的なステロイドの副作用を避けるというお薬です。
全身的な副作用(胃潰瘍、骨粗しょう症、易感染など)はありませんが、吸入ですので、のどの違和感や声がれ、うがいを怠るとカビの感染などはあります。ですが、全身的なものと比較すると比較的許容できるものだと思います。
吸入薬は1日1回のものと2回のものがあります。2回のもののほうが商品としては数あります。
症状にあわせて1回1~4吸入で行い、吸入後うがいを必ずします。このうがいが大切です。
口の中に残る薬を洗い流し、カビが感染することを予防します。
吸入回数は症状にあわせ医師が調節します。
なぜステロイドなのか・・・いろいろ難しいことがありますが、簡単に一言で言ってしまうならば「ステロイドの抗炎症効果により慢性的な気道の炎症をおさえる」ということです。
長くなってしまいましたが、ぜんそくコントロールの基本は今は吸入ステロイドです。全身投与は発作時やどうしてもコントロールがつかない場合のみに使用するというところです。
次回気管支拡張薬のおはなしを。
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