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2013.07.24

結核と非結核性抗酸菌症について①

今朝は雨の音で目を覚ましました。朝からムシムシしています・・・

最近、非結核性抗酸菌症の相談にいらっしゃる方が増えました。非結核性抗酸菌症、昔は非定型抗酸菌症ともいいました。菌の名前からMAC症とよばれることもありますが、それは非結核性抗酸菌症のなかの一つをさします。

字のごとく、抗酸菌のなかで、結核菌以外の抗酸菌感染を非結核性抗酸菌症と呼びます。

抗酸菌という菌のグループにはたくさんの菌がいますが、有名なのは結核菌です。

結核菌は人から人へうつり、時には命にかかわる病気を引き起こします。映画やドラマの中でやせた登場人物がゲホゲホ咳をして、口を押さえて、血を吐く・・・比較的日本の明治から戦後までを描いた作品の中に多い場面です。これは肺結核を描いたものです。他にも結核菌によるものは「脊椎カリエス」や「腸結核」をはじめ、脳や腎臓、リンパ節など、さまざまな臓器に影響を及ぼします。

「肋膜」や「肺浸潤」と昔呼ばれていたこともあり、これは「結核」と同義ととらえます。60代以上の方ではよくこの言い方でお話されることがあります。

肺結核は減ってきているように思われがちですが、日本ではまだまだ患者数が他の先進国と比較すると多い状況です。意外と若い方で最近多いようです。

最近では若い芸能人のかたで入院された方もいらっしゃいますが、入院する場合と外来治療の場合とどう違うのでしょうか?どんな症状が出て、どんな検査をして、治療をどのようにするのでしょうか?順番に書かせていただこうと思います。

さて、今回は、どんな症状が出れば肺結核を疑うか?受診すべきか?ですが・・・

2週間以上咳が続く、体重減少した(やせてきた、もともとやせている)、微熱が続く、痰がでる、血痰が出る、胸が痛い、背中が痛い、息苦しい・・・このような症状があれば、一度レントゲンをと考えます。とくに10代後半から20代で痩せていて、不摂生な状況がうかがわれ、先のような症状があれば疑いは強くなります。入院した芸能人の方が肺結核で入院したと聞いたとき、医療関係者の多くは、驚かなかったと思います。いかにもこの典型例にあてはまるからです。

このような症状があれば、まず受診し問診で必要であればレントゲン検査、痰の検査が必要です。

次回は検査結果の解釈と入院・外来治療のちがいについて、書かせていただきます。

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