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2021.06.10

個別接種がはじまります

個別接種が始まります。

タイトルのとおりなのですが。

先週から集団接種に出務しております。12日以降は芦屋市の集団接種も加速していくことになります。

最初は集団接種への出務も個別接種の人数も多くはできないかな・・・という考えでした。

通常業務に発熱外来、一応、主婦でもありますので・・・

そんな私の考えを変える出来事がありました。

宿泊施設のオンコール当番医をしていますが、変異株の検出が増え始めたころからの宿泊施設の状況が大変厳しくなったのです。宿泊施設で酸素吸入を開始されて流量も日々増えるのに、オンコール当番医から入院要請の指示が出て数日たっても入院できない方がいらっしゃいました。一部報道で酸素飽和度が70%台でないと入院できないというものを見て、「70%台・・・苦しすぎる・・・ありえない」と信じられない気持ちでしたが、オンコールでの相談対象のかたがまさにその状態だったのです。当院でも在宅酸素療法をされている患者さんがいらっしゃいますが適応は酸素飽和度が90%に到達しない方です。80%台でも苦しいのに70%台・・・陸でおぼれている状態です。これまで勤務医時代にたくさんの呼吸不全状態のかたを担当させていただきましたので70%台という状況を嫌というほど見ています。さらにショックだったのは、その方が65歳以上の年齢層のかたではなく重症化しにくいという年齢層で自分に近い世代の方だったということでした。

通院中の患者さんの周りの方で新型コロナ感染で亡くなられた方のお話や人工呼吸器管理をされている重症者の方のお話を耳にすることが5月から急に増えました。

今回のワクチンは新しいワクチンですので、使用開始から短く、十分な時間でのメリット・デメリットの検証ができていないことは事実ですし、それを不安に思う方がいらっしゃることも理解できます。

でも。

変異株の状況や現時点でこれと確定した治療薬もない今の状況では、生き残るために、今現時点で自分ができる方法はワクチン接種しかないというのが現実です。あと数年すれば特効薬ができるかもしれません。でも、それまで生きることができていればの話です。それまでに死んでしまったら・・・どうしようもありません。自分が生き残るために私はワクチンを接種しました。このワクチンの将来がどうであっても「反省はしても後悔はしない」というこれまでの自分の考えを、「今を生きる」という自分の気持ちを、大切にします。そして、私を支えてきた「あきらめない」という信念を大切にしたいと思います。医師として『今』できることと考え、精一杯、ワクチン接種の仕事をしようと思います。

今年の年末には忘年会をしたいねとスタッフと話しています。少しでも早くこれまでの生活に戻れるよう微力ながら頑張りたいと思います。「誰かがしてくれる」ではなく「自分がやる」という思いです。

集団接種への出務や個別接種の人数を増やすことで、患者さんに待ち時間等でご負担をかけることになることがあるかもしれません。発熱外来に続き、大変申し訳ありません。ただ、この状況がずっと続くわけではなく、しばらくの間と考えておりますので、ご理解いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

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