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2012.09.03
前立腺がん2
9月に入りました。
今月からはポリオの予防接種も始まります。そして来月からのインフルエンザ予防接種開始に向けての準備も始まります。
さて、今回は前立腺がん2、確定診断と治療です。
確定診断のためには前立腺生検術が必要です。通常下腹部だけかかる麻酔を行い、超音波で前立腺を確認しながら、12カ所程度針を刺します。「生検針」といわれるものですが、刺すと前立腺内の組織がとれる仕組みです。1カ所ずつ、計12回採取し、検査は終了です。もしこの検査で悪性所見を認めた場合、前立腺がんと診断され、治療が必要となります。
具体的に治療を決める前に、前立腺がんの進行具合を調べる必要があります。癌が前立腺内にとどまっている限局性前立腺がんなのか、すでにリンパ節や骨にがん細胞がとんでいる進行性前立腺がんなのか診断する必要があります。
前者であれば前立腺さえ治療すればよいので手術療法または放射線療法が選択されます。後者であれば前立腺だけを治療しても体にがん細胞が残りますので全身療法=内分泌療法といわれる治療を行います。前立腺がんは男性ホルモンにより進行することが知られています。男性ホルモンを止めてしまい、「兵糧攻め」にすることで、前立腺がんを縮小させます。この治療は皮下注射薬と飲み薬の組み合わせで行います。進行性前立腺がんではなくても75-80歳を超える患者様の場合、この治療を選択することがあります。手術療法や放射線療法をしなくてもがんとうまくつきあうことで十分天寿を全うできる、という考え方です。
次回は前記しました手術療法と放射線療法についてご説明します。