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2012.06.20
ぜんそくのお話3
台風すごかったです。
まだ、今週もう一つ来るのですね。雨風が心配です。
さて、今日はぜんそくの治療のお話です。
ここ数年といいますか、私が医師になったころにはぜんそくで入院する患者さんはまだまだ、いらっしゃいました。
妊婦さんでもうすぐ臨月という方が喘息発作で運ばれてきて、苦しい中数日入院されていたときのことを良く覚えています。
ですが、徐々に減ってきて、ぜんそくでの入院は本当に減りました。
それはやはり、吸入ステロイドの普及が大きいと思います。
有名なスケート選手や野球選手を広告にしているポスターを見かけられた方もいらっしゃると思います。
ステロイド?と思われてしまいますが、ステロイドは過去にマスコミでのバッシングで良いイメージが世間ではないお薬ですが、必要な疾患には欠かせない大切なお薬です。
特に呼吸器領域ではぜんそくをはじめ、たくさんの疾患で使用します。
吸入ステロイドは全身投与(内服や点滴)するのではなく、気道のみに薬剤を投与することで、全身的なステロイドの副作用を避けるというお薬です。
全身的な副作用(胃潰瘍、骨粗しょう症、易感染など)はありませんが、吸入ですので、のどの違和感や声がれ、うがいを怠るとカビの感染などはあります。ですが、全身的なものと比較すると比較的許容できるものだと思います。
吸入薬は1日1回のものと2回のものがあります。2回のもののほうが商品としては数あります。
症状にあわせて1回1~4吸入で行い、吸入後うがいを必ずします。このうがいが大切です。
口の中に残る薬を洗い流し、カビが感染することを予防します。
吸入回数は症状にあわせ医師が調節します。
なぜステロイドなのか・・・いろいろ難しいことがありますが、簡単に一言で言ってしまうならば「ステロイドの抗炎症効果により慢性的な気道の炎症をおさえる」ということです。
長くなってしまいましたが、ぜんそくコントロールの基本は今は吸入ステロイドです。全身投与は発作時やどうしてもコントロールがつかない場合のみに使用するというところです。
次回気管支拡張薬のおはなしを。